勾留と拘留

 「勾留」と「拘留」は読み方はどちらも「こうりゅう」ですが、どのように違うのでしょう。

勾留」は被疑者または被告人の、逃亡または罪証の隠滅を防ぐために、この人を拘束する裁判、およびこの裁判によって被疑者、被告人を拘束することです。未決勾留とも言います。

 検察官から裁判官に対し、逮捕されている被疑者の勾留を求めることを「勾留請求」といいます。検察官は、逮捕状で被疑者を逮捕した場合、または逮捕状で逮捕された被疑者を受け取った場合、留置の必要がないと考えた場合は直ちに釈放しますが、留置の必要があると考える場合は、公訴の提起をしない限り、被疑者が身体の拘束を受けた時から48時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求します。(刑事訴訟法204Ⅰ)また、司法警察員から逮捕された被疑者の送致を受けた場合、留置の必要があると考えるときは、公訴の提起をしない限り、被疑者を受け取った時から24時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求します。(刑事訴訟法205Ⅰ)

 検察官から勾留の請求を受けた裁判官は、被疑者に対して被疑事実を告げて、これに関する陳述を聞いた後でなければ勾留することができないとされていて、これを「勾留質問(尋問)」といいます。

拘留」はすでに刑になっています。「自由刑」の一つで、1日以上30日未満の間、刑事施設に拘置する刑のことです。刑務作業に従事することを願い出て許されたときは就業します。

「自由刑」は自由のはく奪を内容とする刑罰です。懲役・禁錮(禁固は単に閉じ込めるという意味です。刑罰はこの文字です)・拘留を包括していいます。

「勾留」と「拘留」、内容をよく理解し文字を間違えないようにしましょう。