更生保護の分野では新しい取り組みが次々おきているようです。「更生保護」誌2022年2月号に、各地方における若手保護司オンラインフォーラム開催の記事がありました。保護司は明治からの長い歴史があります。定年があって75歳までとなっています。都道府県区市町村に保護司会があり、地域で組織される形になっています。
どうしても一定以上の年齢の方が多くて定年の人は増える現象、つまり保護司の数の減少と高年齢化に、保護局も苦慮しています。そんな中、すでに保護司で、おおむね45歳未満・保護司経験4年以上の方々で、保護司活動や制度の在り方について意見交換をしたそうです。昨年はYoutubeにも、若い関係者と局長の対話がアップされました。
私が所属するのは江戸川区保護司会です。江戸川区保護司会にも若い方がおられます。彼は昔、やんちゃだったそうで、少年院の経験をもとに、非行少年の親の会「あめあがりの会」の理事もされていますし、保護司もご自分から保護観察所に立候補をして就任したそうです。さらに、江戸川区保護司会の機関誌でご自分の経験をカミングアウトされました。東京社会福祉士会・司法福祉委員会の勉強会でもお話しいただきました。率直にご自分の過去と思いをお話しくださいました。その昔「あめあがりの会」=非行少年の親の会を知った時にびっくりしましたが、自分のやんちゃだった過去をカミングアウトして保護司になるのにも感銘を受けました。(非行・犯罪関係の当事者のあつまりにはセカンドチャンスとマザーハウスが積極的に活動をしています。)当事者活動が増えてきたということでしょう。
若手保護司オンラインフォーラムは、全国8ブロック、93人の若手保護司が参加しての開催だったそうです。結構な数の方がいらっしゃるのですね。参加者からの意見は、①活動をする上での負担や不安を軽減するための方策、②活動する環境を確保、または改善するための方策、➂社会的認知度を向上させるための方策、④幅広い世代・分野から多様な人材を確保するための方策に分けてまとめられていますが、いずれもそのとおりと思う内容でした。内容をお知りになりたい方は早稲田すぱいくにご連絡ください。アドレスはoffice@waseda-spike.jpです。
社会福祉士や心理士など専門職も保護司を受任していますが、いままでの古い体質の保護司会ではなかなか言えなかったことが挙げられていてうれしかったです。今まで、保護司会に行くと古い時代の嫁のような感じ(?)がしていましたが、なんだか、新しい時代が来るような期待感いっぱいです。こうして時代が変わっていくのでしょう。保護局の積極的な活動にも敬意を表したいと思います。もう「前例がないから」ということばを聞かないで活動ができることを願います。