暮らしのルールブック

2011年に初版が出た本で、「暮らしのルールブックー楽しく生きていくために守ること」という本があります。長崎にある知的障害者の支援をしている「社会福祉法人南高愛隣会」と、元厚生労働事務次官の村木厚子さんが立ち上げた「共生社会を創る愛の基金」が共同編集で出版したものです。

46ページ、B5版の薄い本です。イラストで描かれたフルカラーの書籍です。内容は、まさに暮らしのルールについて書かれています。

第1章は「してはいけないこと」です。「物を盗んではいけません」ーお店のものを盗る(万引き)、他の人の家に入ってお金や物を取る(空き巣)から、「家族のお金を取る」「会社のものを持って帰る」、「ごみ置き場のもの」「賽銭」は取ってはいけません、とあります。「他の人の携帯電話やスマホを使う」も、してはいけないです。誰かが物をとるときに一緒にいるのも、同じ悪いこと(共犯者)です、と書いてあります。続いて、「だまって入ってはいけません」「暴力をふるってはいけません」「人をだましてはいけません」と続き、「してはいけないこと」に9項目あります。

第2章は「気を付けたいこと」、第3章は「悪いこと(犯罪)をしたら・・・、となっています。第3章には、警察に声をかけられたら、「逃げてはいけません」、「抵抗してはいけません」も書いてあります。

刑事司法に絡むご相談を受けると、このような「やっちゃいけないこと」を知らない人々ー軽度の知的障害の方や発達障害の方が起こした犯罪が多々あります。自然獲得するような事柄、常識と考えられる事柄でも、案外抜けていたりするようです。どうしてこのようなことになっているのだろうと考えた時に、このような社会のルールを知らないままにいるのではないか、また、口ではいけないと答えても、どうしていけないのかよくわからずに行動していることもあるかもしれません。特に少年事件の場合は、その基本を確認するのもいいかもしれません。

1冊250円です。ご注文は南高愛隣会ホームページ:http//www.airinkai.or.jp/chiiki まで。