親族相盗例

 親族間の犯罪にある特例で、親子、兄弟姉妹で、窃盗や詐欺、横領等の 6つの罪と未遂罪は刑が免除されというも のです。傷害罪や殺人罪など、家族内で解決すべき問題ではない、親族であっても刑を免除すべきではないものには特例は当たりません。

 刑法第二百五十七条 (親族等の間の犯罪に関する特例)配偶者との間又は直系血族、同居の親族若しくはこれらの者の配偶者との間で前条の罪を犯した者は、その刑を免除する。 前項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。

 この場合の親族は、配偶者(内縁関係は含まない)、直系親族(祖父母-父母-子-孫と言った楯の血族。兄弟や従妹は含まない)、同居の親族(一時的な宿泊は含まない。直系血族を除く6親等内の血族および3親等内の姻族)と若干複雑ですが、親の財布からお金を無断で持ち出す、一緒に住む兄弟から借りた本や洋服を売っちゃったというものを処罰しないというものです。「法は家庭に入らず」という考えから出てきているそうで、金額の多寡は関係ないようです。親族間で財産に関する犯罪が行われた場合には、親族間で話合いをすることによって解決した方が妥当であることが多いから、ともいえます。

 警察に家族の困りごととして相談しても「親族相盗例」と返されることもあるようです。それでも、問題が大きい場合は、被害者として刑事告訴をするのがよいようです。(刑事告訴には、6か月の期間制限があるものが多いそうです) 

 例えば息子が親に対して詐欺行為を行った場合、友人が共犯者であれば、息子が罪に問われなくとも友人は詐欺罪に問われます。兄弟姉妹間でも同居している場合としていない場合では異なってきます。親族であっても許せないことは許せませんし、許さない方がいいこともあります。息子の行為が目に余る状況であれば告訴をして、その行為は社会的問題であることを、息子に知らせることも必要かもしれません。