2022年も今月で終わりです。いろんなことがあった1年でした。なんといっても、知人が突然に亡くなったことが一番大きく、今でも信じられません。ふと、今でも何かあると、相談したいと思ってしまいます。彼女の死因は虚血性心不全で、突発的起きたようです。こんなことがあるなんて信じられませんでした。
私はてんかんに関わっていましたので、てんかん発作については知識がありましたし、運転中の発作による事故の問題で、てんかん発作より心臓疾患-発作の方が多いとは聞いていました。そのような突然の発作は、心疾患の既往症がある人だろうと、漠然と考えていました。しかし、知人もそうでしたが、心臓疾患の既往症がなくても突然の心停止はあるんですね。
「推しは目覚めないダンナ様です。」という本が幻冬舎コミックスから出ています。「推しは目覚めないダンナ様です-低酸素脳症になってからの病院生活」 :: 幻冬舎コミックス (gentosha-comics.net) 34歳の夫が夜中に突然心停止。救急車を呼び、消防署オペレーターの指示に従って心臓マッサージ、救急車で救急病院ー途中で救急センターの医師同乗-治療開始、入院、リハビリ病院へ転院とめまぐるしく過ぎていく日々が、妻の視点で、ほのぼのとした画風(作者は妻本人のそらさん)で描かれています。そらさんは自分経営の美容師さんで、毎日、ダンナさんの病室に通います。髪も切ってあげますし、髭をそってあげますし、爪も切ってあげます。
ダンナさんは、低酸素脳症で植物状態になりました。心停止の原因は、不整脈だったそうです。本に書かれている、病院での医師をはじめとしたスタッフとのやり取りが大変勉強になります。ダンナさんは緊張が強く、口腔を清潔に保つための歯磨きは大変だったようです。歯ブラシを強くかみしめて取れないことが多く、指が噛みつかれ外れなくなったり。そのような状態だからか歯が1本折れてしまったのです。そらさんのなぜこうなったかとの質問に、ある看護婦さんが「歯ぐらい折れても命に関係ない」と言い放ちます。
そらさんは美容師さんなので、お客に理学療法士や看護師がいて、相談に乗ってくれます。病院のソーシャルワーカーも看護師もやさしく対応しています。先の歯の事件も、歯科担当者や看護師さん、STさんたちのフォローでおさまっていきます。そらさんが怒りを感じると炎があらわれますが、消火器がその炎を消してくれます。その表現がコミックならではです。PT,OT,STといった言葉や、高額医療費、障害者手帳等々の説明も自然な流れで出てきます。
ソーシャルワーカーとして、日々いろいろなかたに接します。「歯ぐらい折れても命に関係ない」この感覚は自分の中に確かにあります。 このような本は、改めて、自分の行動を見つめる機会となります。知らず知らずにやっている、出している行動や言葉、自分を戒めたいと思います。