先日、喜連川社会復帰促進センターを見学してきました。平成19年4月にPFI施設として開庁してから15年が過ぎ、昨年4月にPFI事業が終了したそうです。第2期公共サービス改革法事業(注1)が始まったそうです。同じく令和4年7月からは女子受刑者の収容も始まり、男女混合の職業訓練もあるそうです。
収容定員は1.956名で、一般ユニット(犯罪傾向が進んでいない26歳以上の男子受刑者)が1.500名、特化ユニット(26歳以上の男子のうち、精神疾患又は知的障害を有し、社会適応のための訓練を要する、または身体障害又は高齢のため用語的処遇を要する、に該当する受刑者)406名、女子受刑者50名となっています。
社会復帰のための自立の支援として職業訓練があります。一般ユニットの職業訓練には14科目です。【取得資格】①調理科 ②クリーニング科 ③CAD技術科 ④情報処理科 ➄介護福祉科 ⑥農業科 ⑦電気工事科 ⑧ネイリスト科 【知識、技術及び経験を付与】①生産技術取得訓練(木工-立派な日光彫のタンスを作っていました)②ネット販売実務科 ③在宅ワーカー育成科 【社会人常識、マナーの習得と自己開発】①キャリアガイダンス科 ②ハウスクリーニング科 ③普通救命科となっています。特化ユニットは1科目で身体機能の回復 窯業科となっています。
今回は農業科の作業を見学しました。喜連川センターではSDGs達成に向けた連携協力事業があります。喜連川センターは敷地面積が425.891㎡で建物延面積が73.900㎡となっており、広大な森があります。センター内とその周辺には在来種の動植物が存在しています。その保全活動もSDGs達成に向けた連携事業となっています。カワラノギクとミヤコグサを栽培し、シルビアシジミ(絶滅危惧種)の保護に関与しているそうです。農業科が管理する有機農業のセンター農場を見学した際に小さな蝶が飛んでいて「おっ、シルビアシジミ!」と言いましたら、案内くださったセンターの職員の方から「違います、単なる小さい蝶々です」と言われました。他に、芝地の環境維持や調査・観察をする「ハナヤスリ・プロジェクト」の取り組みがあります。有機農業で作った収穫物は、近隣の福祉施設等で食材として活用しているそうです。喜連川社会復帰促進センターにおけるSDGs達成に向けた取組に関する法務大臣訪問について | さくら市公式ホームページ (tochigi-sakura.lg.jp)
(注1)公共サービス改革法は、官民競争入札・民間競争入札(いわゆる市場化テスト)を活用し、公共サービスの実施について、民間事業者の創意工夫を活用することにより、国民のため、より良質かつ低廉な公共サービスの提供を実現することを目的としており、当所の運営業務のうち、公サ法第33条の3第1項第1号~4号及び同第6~13号に掲げる業務並びにその他の非権力的業務(被収容者に対する有形力の行使及び被収容者の権利を制限し、又は被収容者に対し義務を課す処分を伴う業務を除いた業務)について、平成22年5月から民間事業者に委託して行われています。具体的には、総務・警備業務の一部について業務委託するとともに、受刑者に対して行われる職業訓練や教育プログラムなどの一部業務について、民間事業者のノウハウを活用して行っています。001323143.pdf (moj.go.jp)、静岡刑務所 (shizuoka-prison.go.jp))